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企業等の取組事例紹介

株式会社水清建設さん


  • 家庭と職場をつなぐ現場見学会のようす
    家庭と職場をつなぐ現場見学会のようす
  • 育児を楽しむ男性社員
    育児を楽しむ男性社員
  • 現場で活躍する女性技術者
    現場で活躍する女性技術者

企業概要

取組内容

令和3年度 男性社員のワーク・ライフ・バランスモデル創出事業

Q.この事業に取り組もうと思ったきっかけを教えてください

 働き方改革やダイバーシティ経営などを推進している建設業です。社員の8割が男性で、子育て世代と介護世代がそれぞれ半数近くいます。弊社には独自の休暇制度が複数あり、ライフイベントに左右されやすい女性社員は社内外制度を有効利用し、離職することなく家庭と仕事を両立し活躍していることで国や県から評価をいただいています。
 一方で男性社員は、建設業特有の労働慣例や上司・周囲の理解が不十分であることから「諦め」が先行し、「男性のワーク・ライフ・バランス」を推進するにはかなり程遠い実態がありました。男女の区別なくライフイベントに直面した社員が、理解を得られず離職を選択することなく働き続けることができる会社を目指すために、ライフステージの変化に強い職場の構築が必要だと認識したのがきっかけです。


Q.具体的に取り組んだ内容を教えてください

 男性社員の意識改革がポイントになると考えて3つの取組をしました。
 一つ目は、社会保険労務士によるワークライフバランスセミナーを15分×2回実施しました。「世の中が取り組みを進める背景」「頭の固い上司が“へぇーそうかなるほど!”と頷く話」を中心にお話いただきました。
 二つ目は、家庭と職場をつなぐ現場見学会です。県営建設工事現場3カ所をバスで巡り、家族がどんな所でどういう仕事をしているのか実際に触れてもらい、家庭内で盛り上がろうという企画です。重機試乗操作体験は大盛り上がりでした。
 三つめは、第一子が誕生した課長代理職と父親の介護を経験した部長職の男性社員による体験発表会を実施しました。積極的に育児に関わるために普段意識していることや気持ちの変化、突然始まった介護への戸惑いと仕事を両立するために実施したこと、社内のサポート体制などを発表し、他人ごとではない、自分にも起きることだという「気づき」の機会にしました。


Q.取組後、男性社員さんの意識や行動に変化はありましたか?

 ワーク・ライフ・バランスに対する誤解を解いたことで、休むこととプライベートを優先されることへの恐れを抱いていた管理職が、限られた時間で効率よく仕事をして利益(結果)を出す工夫を考えるようになりました。若手も休むために前倒しで効率よく仕事を進め、業務に穴をあけないよう意識して行動するようになり、「オン・オフの切替」「作業効率アップ思考」が社内的に広がりました。
 また、共に働く男性社員の実体験を聞いたのち、業務の見直しや時間の有効活用、業務分担などを図るほか、上司が率先して帰宅するなどの行動変化が見られました。


Q.取組の効果はありましたか?

 管理職の意識変化が大きな成果でした。
 やはり管理職の理解が不十分では、どんなに良い制度があっても利用できません。管理職が「限られた時間でいかに成果をあげていくか」という方針を社内展開したことで、前年比較で休日労働時間は減り年次有給休暇取得日数はアップしました。
(令和3年度:休日労働時間 平均13.4時間減、年次有給休暇取得 平均8.25日アップ)
 また、令和4年度には男性社員が親の介護で1.5カ月の休暇を取得したほか、子どもが生まれた部長職が育児のために休暇を利用しました。


Q.今回の取組の感想をお聞かせください

 様々な制度はあるものの、男性社員の利用促進に至らずどうしたものかと思っていました。今回の取組で「仕事と家庭の両立」の必要性を社員の性別や年齢に関わらず社内展開することができたと思います。
 ライフイベントとして出産・育児はフォーカスされやすいですが、介護は「隠れ介護」という言葉もあるように、社員が周囲に相談しないことが多いと感じています。同居ではない親のケアも含め、実際には社員が働きづらさを感じていても表面化しにくい状況があります。そうした中で、社員が追い詰められることのないように早目の支援対応が必要だと思います。
 「仕事と家庭の両立」全てを自分一人でなんとかしなければならないと考えるのではなく、周りのサポートを上手く利用し、「お互いさま」の意識で社員同士が支え合える職場に一歩近づけたと感じています。

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