いわて漆物語 はじまりの森

うるしづかい

 

いわての漆器

漆の産地から生まれる、暮らしに寄り添う器。

 漆の産地である岩手県には、古くから伝わる漆器があります。平安時代に栄えた平泉文化から派生する「秀衡塗」は、華やかな金箔に彩られた器。漆の採取が盛んな二戸市で作られる「浄法寺塗」は、シンプルな日常使いの器。そして同じ県北部の八幡平市に伝わる「安比塗」も、生活に根ざした器。いずれも透明度と発色が良く、硬度に優れた良質な漆を使い、一つひとつ職人の手でていねいに仕上げられます。
 漆器に欠けや傷がつけば修理や塗り直しを行い、暮らしの中で大事に使い続けられるいわての漆器。ものを愛おしみ、大切に使う心を、私たちに教えてくれます。

地図
浄法寺塗

浄法寺塗

開山約1200年の歴史を誇る二戸市の古刹・天台寺で、僧侶が自ら作った什器が始まりとされています。無地の朱・黒・溜による光沢をおさえた仕上げが特徴。どんなシーンにも馴染むシンプルで使いやすいデザインです。

安比塗

安比塗

藩政時代に生活用具として作られた漆器が起源とされ、一時伝統が途絶えたものの昭和58年に復活しました。下地から上塗りまで重ねる「漆下地」を施しているのが特徴。普段使いに適した飽きのこないデザインです。

秀衡塗

秀衡塗

平安時代に栄華を極めた奥州藤原氏三代・藤原秀衡が起こしたとされ、県南地域で作られています。独特の雲形と金箔を施した華やかな文様が特徴。最近では、現代の暮らしに合ったデザインの器も作られています。

いわての漆器工房