生まれたばかりの赤ちゃんは、産湯をつかい、お母さんやお父さんと対面したら、身長、体重、頭囲などを計測し、医師の診察を受けます。心音や呼吸音の異常はないか調べたり、おなかの上から手でふれて内臓に異常がないかを調べたり、正常な反射がみられるか、姿勢はどうかなど、全身をチェックします。
出生後1週間は、ほとんどの場合、赤ちゃんも出産した病院で過ごすことになります。母子同室の場合、経過が順調なら、2日目までには赤ちゃんはお母さんの部屋へやってくるでしょう。
入院中に、授乳のしかたや、乳房マッサージの指導があります。初乳は栄養価が高く、免疫抗体をたくさん含んでいるので、ぜひ飲ませてください。
生後2~3日は緑黒色の胎便が出ます。その後、お乳を飲み始めると徐々に黄色くなります。おむつ替えなどの赤ちゃんの世話は、最初はぎこちないかもしれませんが、くり返しているうちに要領もわかってくるでしょう。沐浴や授乳、必要な人には調乳など、退院後の生活についての指導もあります。
経過が順調なら、赤ちゃんもお母さんも5~7日目ごろに退院です。赤ちゃんは小児科医の退院診察を受けます。わからないことや心配なことは入院中、 または退院前に医師や助産師に聞いておきましょう。
退院のときは、荷物はもちろん、大事な赤ちゃんもいますので、夫や家族の人につきそってもらうと安心です。自家用車の場合は、退院時から赤ちゃんにチャイルドシートを用いましょう。
赤ちゃんは生後5~6日ごろに先天性代謝異常と内分泌(ホルモン)の病気に関する検査を受けます。これは、からだの代謝を助ける酵素などの一部に異常がないかどうかを調べるためのもの。かかとからほんの少し採血します。
この検査は、「アミノ酸代謝異常症」「有機酸代謝異常症」「脂肪酸代謝異常症」「ガラクトース血症」「副腎過形成症」「甲状腺機能低下症」の合計6項目の先天性代謝異常症を調べるものです。
早期発見して治療を早く開始することで、発症を予防できます。施設によってはこの検査を受けられないこともありますので、その場合は地域の保健所・保健センターに相談しましょう。
母乳は赤ちゃんにとって理想的な栄養ですが、母乳だけの場合、 ビタミンKが不足することがあります。ビタミンKは肝臓で血液凝 固因子がつくられるときに必要なビタミンで、これが少ないと、脳を含めてからだのいろいろなところで出血しやすくなります。それを防ぐために、生後1週間以内(通常は産科医療施設内で)と1か月目(1か 月健診時)に、それぞれ1回ずつ、ビタミンKのシロップを飲ませるようになっています。
生まれつきの難聴や新生児期に発生する聴覚障害は1000 人に1~2人といわれています。聴覚障害は早く発見し、早期に適切な療育指導を始めることで言葉の発達の遅れなども防ぐことが可能です。そのため、現在は「新生児聴覚スクリーニング検査」が行なわれています。出生後すぐ(おおむね3日以内)、赤ちゃんが眠っている間に行なわれる検査です。出産した医療機関で行なっていない場合は、その医療機関や地域の保健所・保健センターなどに問い合わせ、早めに受けるようにするとよいでしょう。